当サイトの記事は編集部が厚生労働省・総務省などの公的機関の公開情報と各社の公式情報、読者の声を調べて独自に執筆しています。制度や求人の条件は変わることがあるため、最新の情報は公式サイトで確認してください。当サイトの一部の記事には就職支援サービスへのリンク(広告)を含みます。
50代でアルバイトやパートを続けていると、『老後はどうなるんだろう』と考える時が増えますよね。年金のことも、これからの仕事のことも、気になり始める年代です。
結論から言うと、50代フリーターでも、年金の見込みと保険の状況を確かめ、使える窓口を知っておけば、老後への備えは今から進められます。
この記事を読めば、50代で確かめておきたいことと、相談できる窓口が分かります。
50代フリーターは、統計ではどう扱われる?
総務省の統計で「フリーター」とされるのは15〜34歳の人です。50代でアルバイトやパートとして働く人は、統計上は「非正規の職員・従業員」として数えられます。
『50代でもフリーターって言うのかな』と気になる方もいますよね。実は、統計の言葉と日常の言葉では、使い方が少し違うんです。
総務省の労働力調査では、フリーターを15〜34歳のパート・アルバイトとその希望者と決めています。なので、フリーター50代という言い方は、統計の言葉ではなく日常の言葉です。
| 見方 | 50代でアルバイト・パートとして働く人の扱い |
|---|---|
| 総務省の統計 | フリーターではなく「非正規の職員・従業員」 |
| 日常の会話 | 「フリーター」と呼ばれることもある |
| 書類の職業欄 | 「アルバイト」「パート」と書くのが分かりやすい |
総務省の調査(2025年平均)では、非正規の職員・従業員は2,128万人でした。非正規で働く理由で一番多いのは「自分の都合のよい時間に働きたいから」で、757万人です。
50代でアルバイトをしていることは、決してめずらしいことではありません。呼び方よりも、これからの暮らしをどう組み立てるかに目を向けてみてください。
35歳を過ぎた時の統計の扱いは35歳以上はフリーター?で、言葉の定義はフリーターとは?意味と定義で紹介しています。
50代の賃金はどうなっている?
厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2025年)では、一般労働者の月の所定内給与の平均は、50〜54歳で正社員・正職員が412.7千円、正社員・正職員以外が229.7千円でした。
正社員は年齢とともに上がって55〜59歳でピークになり、正社員以外は20代後半からほぼ横ばいです。差は年齢が上がるほど広がる傾向があります。
賃金は残業代などを除いた、税金を引く前の月額です。最新の値は厚生労働省のサイトで確かめてみてください。
50代で確かめたい3つのこと:年金・保険・仕事
老後の備えというと、貯金のことを先に考えがちです。でも最初にやりたいのは、年金・保険・仕事の3つについて、自分が今どうなっているかを確かめることなんです。
『何から手をつければいいか分からない』という方も多いはずです。下の表を、上から順番に確かめてみてください。
| 確かめること | どこで分かるか | 確かめた後にすること |
|---|---|---|
| 年金の加入の記録 | 年金事務所、日本年金機構から届くお知らせ | 未納の期間があれば、追納や免除の申請ができるか聞く |
| 年金の見込み額 | 年金事務所、日本年金機構のお知らせやサービス | 見込み額をもとに、60代の働き方を考える |
| 今の健康保険 | 保険証、給与明細 | 勤め先の保険か国民健康保険かを確かめる |
| 社会保険に入れる働き方か | 雇用契約書、勤め先の担当者 | 週の所定労働時間と勤め先の規模を確かめる |
| 今の仕事を続けられるか | 契約期間、更新の条件 | 無期転換や正社員登用の制度を聞く |
| 次の仕事の候補 | ハローワーク、求人サイト | 求人票を読み、応募できる仕事を探す |

確かめた結果で、次の一歩が変わる
例えば、年金の未納の期間が見つかった場合は、まず年金事務所で相談するのが先です。社会保険に入れない働き方なら、働く時間を増やせるか勤め先に聞いてみるのも1つの方法です。
- 年金事務所や日本年金機構のお知らせで、加入の記録を確かめる
- 保険証と給与明細で、今の健康保険と年金の種類を確かめる
- 雇用契約書で、契約の期間と週の所定労働時間を確かめる
- 1か月の収入と支出を書き出す
- ハローワークで、仕事の相談を1回してみる
一度にすべてを済ませる必要はありません。1週間に1つずつでも、1か月あれば一通り見えてきます。
60歳までの計画を年代で分けて考える
50代の10年は、前半と後半でやりたいことが少し違います。下の表を目安に、自分の計画を立ててみてください。
| 時期 | やっておきたいこと |
|---|---|
| 50〜54歳 | 年金の記録と見込み額を確かめる。未納や追納できる期間がないか調べる。働く時間を増やせるか考える |
| 55〜59歳 | 60歳までの国民年金の納付を確かめる。60代の働き方と、続けられる仕事を考える |
| 60歳を前に | 契約の更新や、60歳以降も働ける職場かを勤め先に聞く。年金の手続きを年金事務所で確かめる |
『もう50代だから』と思う必要はありません。60歳までの時間を使って、1つずつ準備しておくことができます。
年金・健康保険・税金で確かめたいこと
日本に住む20歳以上60歳未満の人は国民年金に入ります。50代はまだ保険料を納める期間なので、今の状況を確かめることで将来の年金を整えられます。
『年金のこと、ちゃんと分かっていないかも』と思う方もいますよね。ここでは、50代で特に確かめておきたい点をまとめます。
国民年金の保険料と、払えない時の制度
勤め先の厚生年金に入っていない人は、自分で国民年金の保険料を納めます。日本年金機構によると、2026年度の国民年金保険料は月額17,920円です。
本人・配偶者・世帯主の前年の所得が一定額以下の場合や、失業した場合は、申請により保険料の免除を受けられます。免除には、全額・4分の3・半額・4分の1の4種類があります。
| 制度 | 50代で使えるか | ポイント |
|---|---|---|
| 保険料の免除 | 使える | 所得の条件を満たせば、申請で全額から4分の1まで免除 |
| 納付猶予 | 使えない | 対象は20歳以上50歳未満 |
| 追納 | 使える | 免除・猶予を受けた期間は10年以内なら後から納められる |
40代までに納付猶予を受けていた方は、10年以内なら追納できます。どの期間が追納できるかは、年金事務所で確かめてみてください。
手続きのくわしいところは、フリーターの国民年金で紹介しています。
年金の見込みを確かめる
将来受け取れる年金の額は、これまでの加入の記録で変わります。見込み額は、日本年金機構から届くお知らせや、年金事務所の窓口で確かめられます。
厚生年金に入って働いた期間があると、その分も年金に反映されます。見込み額が分かると、60代にどのくらい働くかを考えやすくなります。
厚生年金と健康保険に入れる働き方か
日本年金機構の案内では、週の所定労働時間が20時間以上で学生ではない人は、短時間労働者として厚生年金と健康保険に入る対象になります。勤め先は、厚生年金の被保険者が51人以上見込まれる企業などです。
これまであった月額8.8万円以上という賃金の条件は、厚生労働省の資料では2026年10月に撤廃される予定とされています。勤め先の規模の条件も、2027年10月に36人以上、2029年10月に21人以上と、段階的に広がっていく予定です。
社会保険のくわしい条件は、フリーターの健康保険と社会保険で紹介しています。
国民健康保険と税金
勤め先の健康保険に入っていない人は、国民健康保険に入ります。保険料は前年の所得などで計算され、市区町村ごとに違います。
所得税は、給与だけの人なら2026年分は年収178万円までかからない水準になりました(基礎控除104万円と給与所得控除74万円の合計)。社会保険料の控除などで実際の税額は変わるので、くわしくは国税庁やフリーターの税金で確かめてみてください。
1か月のお金の流れを書き出す
年金や保険のことが分かったら、毎月のお金の流れも書き出してみましょう。数字にしてみると、何を見直せばいいかが見えてきます。
| 書き出す項目 | 例 |
|---|---|
| 入ってくるお金 | アルバイトの給与、そのほかの収入 |
| 毎月決まって出ていくお金 | 家賃、水道光熱費、通信費、保険料 |
| 年金と保険 | 国民年金保険料、国民健康保険料 |
| 月によって変わるお金 | 食費、日用品、交通費 |
| 年に数回のお金 | 住民税、更新料、冠婚葬祭 |
『書き出すのは面倒』と感じるかもしれません。でも、1か月分だけでも書いてみると、60代の暮らしを考える時の土台になるんです。
「保険料を払えないから」と、何も手続きをしないままにしておくことがあります。納めない期間が続く前に、年金事務所や市区町村の窓口で免除や軽減の相談をしておきましょう。
50代からの仕事の選び方と探し方
50代の仕事の考え方は、今の仕事を続ける、働く時間を増やす、仕事を変える、の3つに分けると選びやすくなります。どれを選ぶかで、使う窓口も変わります。
50代から仕事を探すとなると、『もう選べる仕事は少ないのでは』と感じる方もいますよね。確かに、年齢によって選べる求人は変わります。
ただ、年齢を問わず使える窓口や制度もあります。自分がどの道を選ぶかを先に決めておくと、探しやすくなります。
| 道 | こんな時に | 使える制度・窓口 |
|---|---|---|
| 今の仕事を続ける | 職場に慣れていて、長く働きたい | 無期転換ルール、正社員登用の制度 |
| 働く時間を増やす | 社会保険に入りたい、収入を増やしたい | 勤め先との相談、週20時間以上の働き方 |
| 仕事を変える | 契約の終わりが近い、体に合う仕事に移りたい | ハローワーク、ハロートレーニング、トライアル雇用 |
今の仕事を続ける時
労働契約法の無期転換ルールでは、同じ会社との期間の決まった契約が通算5年を超えた人が申し込むと、期間の定めのない契約に変わります。長く同じ職場で働いている方は、使えるか確かめてみてください。
ただ、無期の契約になっても正社員になるとは限りません。仕事の内容や給与などは、特に決まりがなければ有期の時と同じです。
パートタイム・有期雇用労働法では、会社はパートやアルバイトの人が正社員になれるよう、転換を進める措置をとることになっています。くわしくは正社員登用制度とはで紹介しています。
仕事を変える時
ハローワークは年齢を問わず使えます。求人を探すだけでなく、応募書類の見直しや面接の相談もできます。
新しい技能を身につけたい時は、ハロートレーニング(公的職業訓練)があります。受講料は原則無料で、テキスト代は自己負担です。
雇用保険を受けられない人などは、求職者支援訓練を受けられます。本人の収入が月8万円以下、世帯の収入が月30万円以下などの条件を満たすと、職業訓練受講給付金として月額10万円などが支給されます。
職業訓練の使い方はフリーターの職業訓練でくわしく紹介しています。
トライアル雇用という仕組み
トライアル雇用は、職業経験が少ないなどの理由で就職が難しい人を、原則3か月試しに雇い、その後の常用の雇用を目指す制度です。60歳未満でハローワーク等で個別の支援を受けている人なども対象になります。
対象になるかどうかは細かい条件があるので、ハローワークで確かめてみてください。
- これまでの勤め先と期間、仕事の内容
- 任されたこと、続けてきたこと
- 働ける曜日と時間、通勤できる範囲
- 体力的に続けやすい仕事、避けたい仕事
- 社会保険に入りたいかどうか
体のことも、働き方を考える材料にする
50代になると、体力や体調に合わせて仕事を選びたいという声もよく聞きます。立ち仕事か座り仕事か、夜勤があるかなどは、求人票で先に確かめておきましょう。
アルバイトでも、働く時間と契約期間の条件を満たすと、勤め先の健康診断の対象になります。
くわしくはフリーターも健康診断を受けられる?で紹介しています。体調に不安が続く時は、医療機関に相談してみてください。
40代・50代からの仕事探しの進め方は、中年フリーターの仕事探しでも紹介しています。
相談できる公的な窓口の一覧
年金・保険・税金・仕事は、それぞれ相談先が違います。どこに行けばいいか分かっているだけで、動き出しやすくなります。
『どこに聞けばいいのか分からない』というのは、よく聞く悩みです。内容ごとに、相談先をまとめておきます。
| 相談したいこと | 窓口 | できること |
|---|---|---|
| 年金の記録・見込み額・免除 | 年金事務所 | 加入の記録の確認、免除や追納の相談 |
| 国民健康保険・住民税 | 市区町村の窓口 | 保険料の計算や軽減、住民税の相談 |
| 所得税・確定申告 | 税務署 | 確定申告の方法、控除の相談 |
| 仕事探し・応募書類 | ハローワーク | 求人の紹介、職業相談、書類や面接の相談 |
| 職業訓練・給付金 | ハローワーク | ハロートレーニングの案内、受講の申込み |
| 働く条件・契約のトラブル | 労働基準監督署の総合労働相談コーナー | 契約や労働条件の相談 |

なお、わかものハローワークはおおむね35歳未満、地域若者サポートステーションは15〜49歳が対象です。50代の方は、一般のハローワークを使いましょう。
ハローワークの使い方はフリーターのハローワークの使い方で紹介しています。
50代フリーターでよくある相談
50代でアルバイトやパートとして働く方からよく寄せられる相談を、内容をまとめて紹介します。
50代フリーターの老後はどうなる?
50代フリーターの老後がどうなるのか知りたい、という相談はとても多いです。不安になりますよね。
老後の暮らしは、年金の見込み額、60代にどれくらい働くか、毎月の支出で大きく変わります。人によって違うので、まずは自分の年金の見込みを確かめるところから始めてみてください。
見込み額が分かれば、足りない分を60代の働き方で補うのか、支出を見直すのかを考えられます。『分からないから怖い』が、『分かったから考えられる』に変わるはずです。
資格を取れば、正社員になれる?
50代から資格を取って正社員を目指せるか、という相談もあります。資格の勉強は前向きな一歩ですよね。
資格が役立つかどうかは、応募したい仕事の求人票で「必須」「歓迎」とされているかで判断するのがおすすめです。求人票を何件か読んで、その資格を求める求人がどれくらいあるか確かめてみてください。
ハロートレーニングには、資格の取得を目指せる訓練もあります。受講料は原則無料なので、ハローワークで聞いてみてください。
アルバイトの面接に受かりにくい
50代になってから、アルバイトの面接に受かりにくくなったと感じるという相談です。続くと気持ちが沈みますよね。
年齢によって選べる求人は変わりますが、応募先の選び方と伝え方で変わる部分もあります。これまで長く続けてきた仕事や、任されてきたことを具体的に伝えてみてください。
例えば、こんなふうに伝えられます。
「前の職場では8年間、品出しと発注を担当していました。新しく入った方に仕事を教えることも多かったです」
よくある質問
50代フリーターでも国民年金の納付猶予は使えますか?
納付猶予の対象は20歳以上50歳未満なので、50代では使えません。所得の条件を満たせば保険料の免除は申請できるので、年金事務所で相談してみてください。
フリーター50代でも社会保険に入れますか?
入れます。週の所定労働時間が20時間以上で学生ではなく、勤め先が従業員51人以上の企業などなら、厚生年金と健康保険の対象です。条件は段階的に広がる予定なので、最新は厚生労働省や日本年金機構で確かめてみてください。
50代でも職業訓練は受けられますか?
受けられます。ハロートレーニングは受講料が原則無料で、テキスト代は自己負担です。雇用保険を受けられない人は、求職者支援訓練と給付金を使える場合があります。
50代から正社員を目指せますか?
目指せます。今の勤め先の正社員登用の制度を聞く方法や、ハローワークで正社員の求人を探す方法があります。職業経験が少ない場合は、トライアル雇用の対象になるかもハローワークで確かめてみてください。
50代でもわかものハローワークは使えますか?
わかものハローワークの対象はおおむね35歳未満です。50代の方は一般のハローワークで、仕事探しや応募書類の相談ができます。
まとめ
- 統計上のフリーターは34歳までで、50代は非正規の職員・従業員として数えられる
- 最初にやることは、年金・保険・仕事の3つについて今の状況を確かめること
- 国民年金は60歳まで。50代は納付猶予は使えないが、免除や追納は使える
- 仕事は「続ける」「増やす」「変える」の3つで考え、制度と窓口を選ぶ
- 年金は年金事務所、保険は市区町村、仕事はハローワークと相談先を使い分ける
40代のうちに進めておきたい備えは、40代フリーターの仕事と暮らしで紹介しています。




コメント